洋服や靴・鞄などのセールやお盆の帰省、旅行などなど...。夏休みはお金が出ていく機会が多い。うっかり使いすぎちゃった!という時は、お金を"借りる"のも選択肢のひとつだけれど、「そんなに簡単に借りても大丈夫?!」と不安になることも...。今回は、知らずに使うのは怖い消費者金融について、基礎や会社の内情などが学べる本をはじめ、金融業界の裏表が垣間見える3冊を紹介する。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
クレジット・消費者金融業界の全体像が見えてくる
クレジットカードはいまや個人消費手段の5分の1を占め、私たちの生活に欠かせないアイテムとなった。『図解入門業界研究最新クレジット/ローン業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(著者:平木恭一 秀和システム 1404円)では、業態再編がすすむクレジットカード、信販、消費者金融の3業態を、業界関係者の声も交えながら業界の課題や将来動向について詳細に解説する。著者は金融業界取材歴20年という経済ジャーナリスト・平木氏。
「クレジット/ローン業界の現状」「クレジットカード業界の現状と問題点」「消費者金融業界の現状と問題点」など全6章。
急速に普及している電子マネーやスマホ決済、ID・パスワードの漏えいによるクレジットカードの不正使用問題などの最新情報についても取り上げている。
「今からお前を殺しに行くからな......」
「『今からお前を殺しに行くからな......』お客さまはそう言うと、プツリと電話を切りました。でも私の職場でこんな言葉を言われるのは日常茶飯事です。だって私の電話を待ち望んでいるお客さまなんて、この世界には一人もいないのですから。私は、〝督促〟という仕事をしているOLです(本書より)」。
『督促OL 修行日記』(著者:榎本まみ 文藝春秋 594円)は、気弱なOLがトホホな毎日を送りながらも、独自に編み出したノウハウで、年間2000億円の債権を回収するまでの実録ストーリー。日本一ストレスフルな職場・督促コールセンターに配属された著者は、入社半年後には体重が10キロも減ってしまうが、ある時、一念発起!督促でお客さまに立ち向かう方法を研究しようと思い立つ。
「ストーカー疑惑と襲撃予告」「謎の奇病に襲われる...」「自分の身は自分で守る」「仕事からもらった武器と盾」など全11章。
各章終わりに「約束日時は相手に言わせる」など実録ならではの必殺テクニックが収録されている。
消費者金融業とは何だったのか? その深部の闇に迫る
内部抗争に敗れた大手都市銀行元常務の大宮紘平は、系列のクレジット会社社長の座も追われようとしていた。かつては頭取候補と目され、カード業界に転じても拡大路線を展開、大宮旋風とまでいわれた男。行内抗争に敗れた帝都銀行・元常務の大宮は、消費者金融最大手「富福」のオーナー社長・里村から副社長に迎えられる。
『欲望産業 上: 小説・巨大消費者金融』(著者:高杉良 光文社 734円)は、消費者金融の伸張期と絶頂期、その暗部までも克明に描き出した経済小説。
著者は、緻密な取材に基づいた企業・経済小説で定評のある高杉良氏。