「LAST GIGS」とは全く違うライブ感
それから約1年9か月後、「どこかでこのリベンジを」という約束が果たされたのが、2016年4月からのドームツアー「LAST GIGS」だった。大阪・福岡・名古屋・東京の計7本。正真正銘の「LAST」となった東京ドームは5月21,22,23日の三日間。16万5千枚のチケットの応募は約40万枚。ステージ裏まで埋め尽くされていた。衝撃の発表となったツアーファイナル、天変地異と骨折という二重の悪条件と戦った横浜スタジアムとは全く違う、客席の大合唱と清々しいくらいの笑顔の中で終了した。最終日、5月23日は、演奏時間3時間半、35曲。BOO/WYから数えて35年のキャリアを生涯最高のライブで締めくくった。
彼の29回目のソロデビュー記念日、7月21日から、「LAST GIGS」の模様を収めたフィルムコンサートツアー「THE COMPLETE FILM OF LAST GIGS」がスタートしている。映画監督でもある映像デイレクター、Higuchinskyが新たに編集した映像は、すでに作品として発売されている「LAST GIGS」とは全く違うライブ感を伝えている。初日の会場となった調布グリーンホールは、ライブ同様の照明が施され、スクリーンに映し出された氷室京介に合わせて満員の客席が声をあげて歌という、まるでライブ会場と化していた。
「LAST GIGS」に向けて発売され、チャート一位に輝いた初のオールタイムベストアルバム「L'EPILOGUE」のキャッチコピーは「俺たちは氷室京介を卒業できない」。フィルムコンサートでもその言葉が使われている。
フィルムコンサートツアーは、全国36か所37公演。10月20日の金沢市文化ホールまで続いてゆく。
異例の大規模フィルムツアーは、どんな伝説になるのだろうか。
(タケ)