万里の長城マラソンに視覚障がいランナー 日本から2人出場し完走

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ネックは費用で100万円ほど

   ただ、ネックは参加費用だ。5大陸砂漠マラソンに参加するには、1人約100万円ほどかかる。協賛企業・団体を募っているが、まだ知名度が低いために、反応がいまひとつだ。万里の長城マラソン、そしてこの8月に挑戦する富士登山には、公益財団法人韓昌祐・哲文化財団が支援し、活動の貴重な財源になった。

   金さんは、小さな鈴の音プロジェクトをこれまで実施して、あらためて思うことがある。

「スポーツは競争です。でもわれわれは協力を大事にしています。われわれのプロジェクトで大切にしているのは、いかに相手のために自分が行動できるかということです。伴走者は視覚障がい者の代わりに危ない場所を歩くこともたびたびありますから、レースも終盤戦にさしかかる頃には、伴走者の靴のほうが視覚障がい者のそれよりもボロボロになります。そのような姿勢で取り組んでいると、自ずと国の壁や言葉の壁を簡単に越えるんですね。言葉は通じなくても、心のつながりができるのです」

   オリンピックとパラリンピックはある。しかし両者をつなぐスポーツがない。それを2020年、東京から始めるのもいい。

(文・ノンフィクションライター 西所正道)

公益財団法人韓昌祐・哲文化財団のプロフィール

1990年、日本と韓国の将来を見据え、日韓の友好関係を促進する目的で(株)マルハン代表取締役会長の韓昌祐(ハンチャンウ)氏が前身の(財)韓国文化研究振興財団を設立、理事長に就任した。その後、助成対象分野を広げるために2005年に(財)韓哲(ハンテツ)文化財団に名称を変更。2012年、内閣府から公益財団法人の認定をうけ、公益財団法人韓昌祐・哲(ハンチャンウ・テツ)文化財団に移行した。

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