プロ野球・中日ドラゴンズで、不甲斐ないピッチングをした投手に命じられる「強制送還」が物議を呼んでいる。
(遠征中の場合)本拠地の名古屋市内に試合途中でも帰還させる措置を指すが、「ただのパワハラ」「選手が萎縮してしまい、逆効果」などと批判が高まっている。
スポーツライターも苦言
浜田達郎(22)、武藤祐太(28)、大野雄大(28)....。かつて「強制送還」を命じられた中日の投手たちだ。
中日において、同指示は毎年のように「発令」されるが、今季はすでに3度も発動した。
2017年4月22日、DeNA戦(横浜スタジアム)に先発した若松駿太投手(22)、7月11日の阪神戦(倉敷マスカットスタジアム)に登板したジョーダン投手(30)。そして3度目は、7月23日の広島戦(マツダスタジアム)に先発した鈴木翔太投手(22)だ。4回3失点とKOされ、降板後すぐに名古屋に帰された。試合後、友利結投手コーチ(49)は
「(鈴木は)救いようがない。1軍に置く意味がない」
として、2軍降格も明かした。
もはや「伝統芸」と化している帰還命令だが、鈴木投手の件でファンの堪忍袋の緒が切れたのか。ツイッター上では、怒りを表明するコメントが多数あがっている。
「若手をいきなり強制送還するという権力の振りかざしをどうにかして」
「昔から中日は結果の出ない選手に対して制裁をしがちですけど、果たして本人の為になるんですかねコレ。周りの選手に与える影響も大きいでしょうし」
ヤフーのコメント欄では、スポーツライターの菊地慶剛氏が
「やはり試合中に強制送還することに何の意図があるのかを理解するのは難しいですね(中略)本人は好投できなかったという結果だけが残り、その原因を把握することはできないですし、精神的も前を向くことができません」
などと見解を綴っている。