「避難訓練コンサート」なる行事をご存じだろうか。2011年の東日本大震災を機に、全国各地の文化施設で広がりを見せるイベントだ。
全国公立文化施設協会によれば、2011年に「水戸美術館」(15年も開催)で行われたのが起源。徐々に全国に広まり、今年だけでも、「広島文化学園HBGホール」(2月)「神戸国際会館こくさいホール」(3月)、「新宿文化センター」(4月)、「神奈川県立音楽堂」(6月)と行われている。
具体的にはどんなことをするのか。2015年にはじめて「避難訓練コンサート」に取り組み、17年9月10日の公演で3回目を数える「滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール」(大津市)の担当者に話を聞いた。
コンサートは「わき役」
――開催のきっかけは?
緊急時の避難・誘導業務を実際の場面に即した形でやりたかったためです。
これまで同様の訓練は、職員のみで取り組んでいました。ですが、お客さんがいないため緊急時の対応をまとめたマニュアルがはたして本当に機能するのかという疑問点もありました。そこで、マニュアルの検証ができる良い機会として「避難訓練コンサート」を企画しました。
――同時にコンサートを実施する意図は?
「避難訓練に協力してください」と呼びかけてもお客さんは集まってくれないと思うので...(苦笑)。「集客の目玉」としてコンサートも用意しました。