通信インフラ企業の「ALL CONNECT(オールコネクト)」(福井市)は2017年6月29日、「ワーキングママに関する調査」を発表した。
調査からは、ワーキングママ(仕事と育児を両立する女性)の「理想」と「現実」の溝が浮き彫りになった。
仕事も家庭も両立したいけど...
調査は、6月15日~20日の期間、12歳以下の子供をもつ20代以上のワーキングママ 252人を対象に実施された。
まず、仕事と家庭のバランスについて理想の割合を聞くと、「仕事より家庭を優先したい」という人は59.1%、 「仕事優先派」は10.8%だった。仕事も頑張りつつ、家庭に重きをおきたいという「本音」がうかがえる。
では、どんな職場であれば、家庭との両立がしやすい環境なのだろうか。「働きやすい職場環境だと思うものは何か」とのアンケートでは、1位が「急な欠勤が評価に影響しない」の45.6%、以下、「(パートでも)育児休暇を取得できる」(38.9%)、「子どもの年齢に応じて労働時間を選択できる」(31.0%)と続いた。
多忙を極めるワーキングママのこうしたニーズに、対応に乗り出す企業は増えているが、まだ十分でない企業も少なくない。
38.1%が子育て支援制度「無し」
調査では、全体の6割近くが「子育てを支援する会社制度がある」という結果だったが、そうでない企業も38.1%あった。
具体的な制度を見ていくと、「育児休暇の取得ができる」が43.3%、「短時間勤務ができる」が48.4%だ。
さらに、「ワーキングママとして区別を受けたこと(感じたこと)はあるか」との質問には、プラス面での区別(配慮)を経験した人は43.7%いたが、一方でマイナス面での区別(差別)を経験した人も21.8%いた。調査からはこんな声が集まる。
「子どもの熱や学校の行事で休まなければならなかったときに、いいよと言いながらも明らかに良い反応ではなかった」(36歳 神奈川県)
「旅行などで休む人がいるのに、子ども都合では休めないこと」(39歳 愛知県)
オールコネクト社は、
「『配慮を受けた(感じた)』方が50%以下と少なく感じました。もしかすると、(手を差し伸べるような)発言が『マタハラ、セクハラ』になるかもしれないという、男性側の思いが背景にあるのかもしれません。いずれにせよ、個々はもちろん会社全体として配慮のできる体制を強化する必要があるように思います。デリケートな問題なので、不平等になりすぎない範囲で慎重な整備が求められます」
と見解を述べた。