26歳の私が詰まっている
ギターを始めたのは19歳。
路上に出るようになったのもそれからだ。
渋谷、川崎、柏、下北沢、そんな場所の中に福岡・天神まで登場した。
「天神は路上ライブをやる人の数が多いということでそこでも通用するのかと。雨が降っていて、一人の人の足を止めるのがこんなに大変かと思わされました。20人にいれば万々歳。その頃に立ち止まってくれた人の顔は覚えてます。根性みたいなものは養われたと思います(笑)」
「こういう人はあまりいないでしょうし、この人を見てると元気になれる、楽しめると思ってもらえように自信を持ってやってゆきたい。笑われてもいいんです」。
アルバムの先行シングル「運命のアイラブユー」は、去年結婚した実姉を歌ったものだ。本人に心境を聞いて作詞をしたと言った。アルバム全体に、20代女性の幸福感や恋愛観が流れている。
サウンドは80年代の華やさを残しつつ、今風なスピード感も加わっている。ハスキーでありながらカラフル。オーディションで「外見と違う」と言われた彼女の声をより生かしているのは、作曲も手掛ける、Superflyでおなじみの多保孝一だ。
「ウェディングアルバムと言う意識はしてなかったんです。恋愛観は年を重ねるごとに変わりますし。26歳の私が詰まってるんじゃないでしょうか」
女性アーティストの中には、結婚して人生が変わってしまう、音楽活動から身を引いてしまう例も少なくない。そういう選択はあるのだろうか。
彼女はきっぱりと「ありません」と笑った。
8月は全国6都市でのツアーが待っている。
(タケ)