息子や娘に伝えたい「仕事を楽に進める方法」

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とどのつまりは「清く、明るく、美しく」

   著者曰く、

「職業に貴賤はありません。しかし、生きざまには貴賤があります。それは個別には、あなたの日々の行動が恥ずかしくないかどうかです。そして全体としては、あなたの人生が立派なものかどうかです」

   「仕事=人生」ではないにせよ、仕事が人生の大きな割合を占める以上、仕事に対する基本姿勢が人生を左右することは間違いない。一つ一つの仕事において、誠実な態度で臨み、優れた判断をし、周りを納得させながら良い結果を生む。日々のこうした積み重ねが、その人の仕事ぶりについての評価となる。

「あなたの評価は、ただ一度の成功や失敗だけでは定まりません。日々の積み重ねが、評価されるのです」

   本書を貫くメッセージは、著者の座右の銘、「清く明るく美しく」だ。とりわけ「明るくやろう」が繰り返し出てくる。「明るさ」は、職場で楽しく仕事をするこつであり、出世するこつだという。与えられる仕事は、楽な仕事や楽しい仕事ばかりではないし、気持ちが滅入ることや仕事に意欲が湧かないこともある。そんな時にこそ、「清く明るく美しく」というのだ。

   そのためには、仕事を好きになることが最短だという(好きこそものの上手なれ)。

「あなたの仕事や職場を、好きになりましょう。『私がやらなきゃ、誰がやる』という気概で、どんな仕事にも積極的に取り組みましょう。他人に言われてやるから、嫌になるのです」

   前向きに取り組むことができない仕事だったらどうするか?

「その場合は、なおのこと早く片付けて、別の仕事に取り組みましょう。手を付けずにおいて先延ばしにしたり、中途半端にしておいたりすると、精神衛生面でもよくありません」

   難しい仕事だったら、それこそ、先輩なり頼りになる人なりに相談して、さっさと片付けるのがよいという。「一人で悩むな。相談しろ」なのだ。

「さあ、明るく仕事をして、よい成果を出し、住みよい町をつくりましょう」

   ここまでポジティブに宣言するには、ちょっと元気が足りないかもしれないが、本書を読んで、評者自身も、残りの公務員生活、もうひと頑張りしたいと思った。

   なお、著者は、現在、時事通信社発行の「地方行政」において、「中級編」を連載中とのこと。続編の刊行を楽しみにしたい。

JOJO(厚生労働省)

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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