輸入が安定していれば食糧危機とは無縁? 中国モンサント社長「持続可能な農業はアジアにこそ必要」

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技術導入による自給量増を目指す中国

   では中国ではどのような農業政策がとられているのか。ガオ氏は現在の中国における年間穀物輸入量は1億トンに達する一方、生産量も6億2000トンとなっており、「自給を軸とし、そのサポートに輸入する」ことを食糧安全保障戦略としていると話す。

   国の政策指針書でも国内生産を重視し、積極的な科学技術の導入によって生産能力を確保するよう明記されており、将来的には米や小麦など主要な穀物の完全自給を目指しているという。

   とはいえ中国の自給には課題もある。人口は世界の20%を占めているが水や耕作地は世界の6~8%に過ぎず、その上耕作地の19.4%は農業ができないほどに汚染が進んでいる。肥料と農薬への依存も進んでおり、「農業での食糧自給を満たすには技術的なイノベーションが不可欠」だとガオ氏は指摘する。

   モンサントの事業に関係するからそう主張するのではないかという声もあるかもしれないが、米国の調査では過去30年間で技術導入によってトウモロコシの生産量は64%増加。さらに、土壌侵食や温室効果ガスなど環境負荷は低減し、農業用水やエネルギー、土地利用などの資源利用の効率化も進んでおり、その効果はデータで確認されている。

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