ホストが抱える「ポイ捨て」問題 元コンサルの人気ホストに聞く

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

ホストが抱える「将来への不安」

   こうした変化もあり、大いに沸くホスト業界だが、「変えたいけど、変えられない、旧態依然とした部分もあります」。先述の井上氏は、こうも漏らす。

   ホスト業界で働くキャストの共通の悩みとして「将来への不安」があるという。

「一生ホストとして食べていける数には当然限度があります。キャストの中から店舗責任者や幹部になれるのは一握りです。そのため業界でよく言われているのが、『キャストは稼がせるだけ稼がせてあとはポイ捨て。その先は自分らの責任だよ』」

   同社では、大手人材会社と手を組み転職・起業支援を行なったり、営業代行やセミナー講師といったホストのスキルを生かせる仕事を斡旋したりと「キャリア支援」に力を入れている。だが、業界全体ではまだまだ整備が進んでいないそうだ。

   現在、キャスト兼店舗責任者として活躍する葵未来さん(28)も、「ホスト業界はまだまだ未熟」と指摘する。

「歌舞伎町には大きいホストグループが3、4ありますが、セカンドキャリアをサポートしてくれるところは全くない」。

   他方で、ホストで身に付くスキルは他の業界でも十分に応用が効く、と胸を張る。大学1年~大学院卒業までの6年間、ホストクラブで週1のアルバイトをしていた葵さん。卒業後は、コンサルティング会社で半年間、営業職に就いた。

「ホストは自分を売る仕事。自分にどれだけ価値を持ってもらえるかが重要です。そこで身に付いたコミュニケーション能力では誰にも負けない自信があったので、就活の時も、就職してからも、そのスキルはとても役に立った」。
姉妹サイト