夏至あたりに聞きたい天才の代表作「夏の夜の夢」

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「結婚行進曲」は間奏曲

   少年時代に作った「序曲」から、16年後、メンデルスゾーンはあらためて「劇音楽 夏の世の夢 Op.61」を作曲し、完成させます。少年時代にピアノ連弾で作曲した「序曲」は、管弦楽編成作品として編曲され、正式な「序曲」として採用されます。

   オペラではないので、劇はセリフだけの部分や、間奏曲として音楽だけの部分があり、進行してゆきますが、特にこの転用された「序曲」と、セリフのみの第1幕のあと、第2幕をつなぐ場面で演奏される「スケルツォ」そして、第4幕と第5幕の間に間奏曲として演奏される「結婚行進曲」は名高く、現在でも世界中で演奏されています。夏至=6月は、ジューンブライドの季節でもありますね。

   わずか38歳の若さで亡くなった天才メンデルスゾーンが、「劇音楽 夏の夜の夢」を完成させたのは1842年、つまり死のわずか5年前でした。結果的に、この作品は、若き彼と、円熟期の彼がコラボした、彼の文字通り代表作となります。

   夏至が近いこの時期に、シェイクスピアに触発されたメンデルスゾーンが描いたファンタジー世界を、ぜひ聴いてみてください。「結婚行進曲」も少し違って聴こえるかもしれません。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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