武道館コンサートを成功させた男
ビートルズの日本公演を実現させたのが「伝説のプロモーター」といわれる永島達司だ。『ビートルズを呼んだ男』(著・野地秩嘉、小学館、724円)は、その永島の生涯を追ったノンフィクションである。
「彼みたいな男が本当の日本人だ」「タツのためならいくらでも質問に答えよう」。永島のことをそう語ったのはポール・マッカートニー。ビートルズだけでなく、ナット・キングコール、ルイ・アームストロング、ボブ・ディラン、カーペンターズ、イーグルス、マドンナ、マイケル・ジャクソンと超一流のミュージシャンの来日公演を次々に成功させた。
米軍回りのバンドのマネージメントから始め、現在の「キョードー東京」を設立、1999年に73歳で死去。ノンフィクション作家の野地秩嘉氏の徹底取材で、戦後の芸能事情やビートルズ来日秘話など興味深い作品となっている。