インターネット上で、にわかに「ピーマン論争」が起きている。ピーマンの下ごしらえは、「わた」と「種」は取り除くのが一般的だが、「その必要はない」「栄養がたくさん含まれている」といった意見があがり、物議を醸している。
真偽のほどはどうなのか。専門家に聞いた。
「46年間も捨ててました」
「ピーマン論争」のきっかけは2017年6月4日、あるツイッターユーザーが投稿したこんな内容だ。
「ピーマンの種とわた、いつもわざわざ取って捨ててたけど、よく調べてみたら普通に食べれるし実は栄養満点らしく、取らずに調理して食べてみたら種食べてる感ゼロでいつもと同じく、美味しく食べれた...今まで苦労して栄養取り除いてたなんて」
この「新発見」を綴った内容は多くの注目を集め、
「な、なんと・・!」
「これは知らなかったわ」
「ピーマンの種とわたの塚を築かねばならない程に捨てて来たのに...美味しかったってさ...」
「46年間も捨ててました」
と驚嘆や嘆きの声が、数多くつぶやかれた。
一方で、
「エビデンスは?」
「ピーマンの種とワタを取らなくてもいいって聞いたけど本当なのだろうか」
といぶかる声も散見され、真偽不明のまま「新説」が流布している。
わた・種には注意も必要
J-CASTトレンドは2017年6月13日、日本野菜ソムリエ協会の広報・上原礼美氏に話を聞いた。
上原氏は、わた・種を取り除く必要性について、
「害があるわけではありませんので、必ず除かないとだめ、ということではありません」
と話す。
世間一般的には「取り除く」ことが推奨されている。この理由について上原氏は、あくまで推測ですが、と前置きしつつ、
「見栄えや食感が良くなり、独特の苦みも抑えられるので、万人に美味しく食べられる方法を実践してもらうためではないでしょうか」
と答えた。
わた・種の栄養面に関しては、血液をサラサラにする効果がある「ピラジン」という機能性成分が含まれているという。効果的に摂取したい場合、よく咀嚼するか、ペースト状にして調理する必要があるが、過度な期待は禁物のようだ。
「これを少し食べたからと言って、健康に良い、ということはありません。継続的にたくさん摂取した場合に、『何か期待してもいいかも?!』位のものと思って、風味や食感を楽しんでください」(上原氏)
わた・種を食べる際には注意も必要だ。上原氏は、
「細かな汚れを落とすために、へた部分はよく注意して洗ってください。また、実の中に虫が入っていたり、劣化して種が黒く変色している場合があるので注意が必要です」
と忠言した。