乗りたいときに空車タクシーが来ないイライラは、誰もが一度が味わったことがあることだろう。客を乗せたくてうずうずしているタクシーがどこかにいるはずなのに――。そんなミスマッチを改善するスマホアプリがこの秋にリリースされる。
kmタクシーこと国際自動車(東京都港区)は、スマホを振るだけで空車のタクシーが集まってくるアプリ「フルクル」を、2017年11月に提供開始すると発表した。
これぞIoT時代のタクシーの呼び方だ!
国際自動車の企画広報室によると、同社は以前からコールセンターの配車システムの刷新を進めていて、フルクルはその過程で生まれた。
利用者が電話で配車を依頼した場合、電話を受けたオペレーターは周辺を走るタクシーに無線で連絡する。しかし依頼者が現在地を正しく伝えられるとは限らず、またオペレーター側の誤認がないとも限らない。
スマホに慣れたユーザーにとって「フルクル」は、気軽にタクシーを呼べる利便性の高いサービスだ。アプリを起動して、スマホを振って「タクシーに乗りたい」という意思を示すだけ。すると周辺を走っているタクシーに利用者の位置が通知され、ドライバーは利用者のいる場所へ向かう。一方でアプリ利用者は、ディスプレイに映し出された地図上から周辺の空車タクシーの動きを逐一確認できる。
タクシーが利用者に近づくとバイブレーションが鳴る。利用者が手をあげるか、明滅するスマホの画面(夜間)をタクシーに向けることで、お互いの存在を確認してタクシーのドアが開く――という流れになっている。迎車料金はかからない。
国際自動車にとってもメリットは大きい。コールセンターの入電量には波があり、ピーク時に電話が混雑する可能性も。自動化できれば人件費が削減できるし、機会損失も防げる。