子どもを叱ることができますか
「地震雷火事親父」。父親は地震、雷、火事にも劣らぬ怖い存在といわれてきたが、最近は「叱るオヤジ」がいない。逆に「ほめ育て」という言葉がもてはやされている。それでいいのか。『叱られる幸せ』(著・川澄祐勝、サンマーク出版、1836円)は、そう問い掛ける。
人間には、他者から叱られ、諭されなければ身につかないところがいくつもある。叱られることは有り難いことなのだ。「叱られないのは一生の不幸」「なぜ叱られたのかは、あとになってわかる」「すぐキレる子は『叱られ体験』不足」と諄々と説く。
子育て最中のお父さんはもちろん、生徒指導に悩む学校の先生や上司、部下の関係で困っているビジネスウーマンにもおススメだ。「叱られ通しの人生だった」と振り返る著者の川澄祐勝さんは、アジサイで知られる高幡不動尊金剛寺(東京都日野市)の第三十三世貫主である。