海外旅行の必需品「モバイルWi-Fiルーター」 渡航先別の業者選び、編集部で調べてみた

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   スマホやタブレットは海外旅行に欠かせない。旅先の景色を撮影したり、SNSに投稿したり、地図アプリを使ったり、グルメ情報を口コミで探したり――。気になるのがネット接続だ。方法は主に4つある。大手キャリアの契約者なら「国際ローミングのパケット定額」が真っ先に思い浮かぶ。auユーザーなら2017年10月10日まで163の国・地域で日本と同じように使える「世界データ定額」(980円/24時間)で問題ない。またソフトバンクはアメリカ・ハワイに限り通信料が無料の「アメリカ放題」がある。

   渡航先で「世界データ定額」や「アメリカ放題」に相当するサービスを利用できない人は「海外用モバイルWi-Fiルーター」のレンタルを検討すべし。現地に到着してすぐにつなげられるほか、複数の端末でシェアできるので、誰かと一緒に行くなら通信費を抑えられる。なお「現地でのSIM購入」はややハードルが高く、「公衆無線LAN接続」はセキュリティの不安が残る。

   国際便が乗り入れている空港に行けば、モバイルWi-Fiルーターレンタルの広告をあちこちで見かける。いったいどの業者を選べばいいのか――。

  • 海外でも快適にネット接続したいもの
    海外でも快適にネット接続したいもの
  • 図表1 グローバルWiFi
    図表1 グローバルWiFi
  • 図表2 グローバルデータ(イモトのWiFi)
    図表2 グローバルデータ(イモトのWiFi)
  • 図表3 JAL ABC
    図表3 JAL ABC
  • 図表4 Wi-Ho!(ワイホー)
    図表4 Wi-Ho!(ワイホー)
  • 海外でも快適にネット接続したいもの
  • 図表1 グローバルWiFi
  • 図表2 グローバルデータ(イモトのWiFi)
  • 図表3 JAL ABC
  • 図表4 Wi-Ho!(ワイホー)

中国はVPN対応業者から選ぼう

   海外用モバイルWi-Fiルーターのレンタル業者としては、「グローバルWiFi」「グローバルデータ(イモトのWiFi)」「JAL ABC(ジャル・エービーシー)」「Wi-Ho!(ワイホー)」が有名だ。記事ではこの4業者を比較した。

   さて日本政府観光局のデータによれば、15年に日本人が訪問した国・地域のベスト5は、アメリカ、中国、韓国、台湾、そしてハワイとなっている。

   編集部は、この5つの国・地域でレンタルした場合に1日当たりの料金がどれくらいになるか、業者ごとに図表1~4にまとめた。調査日は17年6月5日で、通信規格は全て「4G LTE」に絞った。またルーター本体のレンタル料は不課税で、手数料やオプション、補償制度は税込。

   最初は日本人が最も多く渡航するアメリカ。調べた結果、安いのは「JAL ABC」と「Wi-Ho!」だった。とくに「JAL ABC」はデータ量無制限なので思う存分使える。両業者ともハワイの料金も一緒だった。

   ネット通信を行う上で中国は少々厄介な場所だ。同国政府の規制により、LINE、Facebook、You tube、Gメール、一部検索サービスやブログが利用できない。これを回避するにはVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)接続という手段を使う。

   4業者のうち「JAL ABC」と「Wi-Ho!」はVPNを扱っていない。一方、「グローバルWiFi」と「イモトのWiFi」はVPNを提供している。ということは――選択肢は後者に絞られる。なお、「グローバルWiFi」はVPNあり・なしのプランをそれぞれ用意しているのに対し、「イモトのWiFi」はレギュラープランにVPNをオプションとして付ける形になっている。

   両者の価格を比較してみると、1日のデータ上限が500MBのコースの場合、通常料金では「イモトのWiFi」の方が166円安い。ただし「グローバルWiFi」は17年6月15日まで「海外旅行・出張応援キャンペーン」と称して値下げを行っており、当該期間中に申し込めば逆に34円安くなる。このように、値引きキャンペーンのタイミング次第で最安業者は入れ替わる可能性がある。

   料金よりもむしろ1日のデータ使用量を判断基準とするべきかもしれない。「グローバルWiFi」の中国用コースは1日250MBと同500MBの2コースなのに対し、「イモトのWiFi」のそれは同500MBと1GBの2つ。そんなにデータを使わないのであれば「グローバルWiFi」の「4G LTE VPN付」(~250MB/日)で十分だろうし、ガンガン使いたいのであれば「イモトのWiFi」の「4G/LTE(~1GB)」にオプションの「中国ワンタイムVPN」を付けば安心だ。

   ちなみにauの「世界データ定額」は、中国でも普通にGoogleやFacebook、ツイッターが普通に使えるようだ。

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