暑い日が続くときに食べるカレーは、減退した食欲をかき立ててくれる。とくに2017年夏は、例年よりも平均気温が高めになると予想される。うだるような暑さを乗り切るためにレトルトカレーを食べたい。でも、どれを選べば――とお悩みの人もいるだろう。
そこでJ-CASTニュース トレンド編集部は、2017年5月16日に発売された「ビーフカレーLEE<辛さ×30倍>」(江崎グリコ)を軸に、日本一辛いとネットで評判の「18禁カレー」(磯山商事)、レトルトのザ・定番「ボンカレーゴールド 大辛」(大塚食品)の3つを食べ比べた。
辛さだけじゃない、コクがある「30倍」
最初にチャレンジしたのは、「ビーフカレーLEE」。レギュラー展開の「辛さ×10倍」や「辛さ×20倍」に対し、「辛さ×30倍」は夏場限定の商品だ。希望小売価格は250円(税別)。
例年この時期に発売される「辛さ×30倍」。今年の商品は、40数種のスパイス量を従来品より約1.3倍増量しているそう。「辛さだけでなくコクと深みがアップ」「辛口カレー好きのコアなファンにもご満足いただける美味しさ」と、江崎グリコはうたう。ご飯にかけたカレーは、確かにコクのありそうな深い色合いだ。
記者Iは「辛さ×10倍」を月イチのペースで食べている。しかし「辛さ×30倍」は初体験。不安と期待が入り混じる中、スプーンを口に運んだ。
最初の1口、2口こそ「あれっ、そんなに辛くないも!?」と思ったが、それは甘かった。3口目から鼻水がたらーっと垂れ、電流が走ったみたいに舌がピリピリする。今まで体験したことのない感覚。その一方で、バターやリンゴからくる甘い風味を感じる瞬間があった。ずばりコクがあり、辛くても最後までしっかり食べられる。
夏バテでぐたーっとしているとき、目をシャキッさせてくれる一品なのは間違いない。ただし水はちゃんと用意しておこう。
口の中をヤケドしたかと思うほどの「18禁」
続いてチャレンジしたのは「18禁カレー 痛辛」。濃いピンクのパッケージは成人向けグッズみたい。裏を見ると「辛すぎますので、18歳未満の方は食べないでください」「高血圧、体調不良、胃腸の弱い方は絶対煮食べないでください」と注意書きが。ドキドキしながら開封したところ、見た目はどこにでもあるレトルトカレー――と思いきや、唐辛子らしき物体が不気味な存在感を出しているではないか。
試食開始から数秒で、猛烈な辛味が襲う。まるで口の中で花火が炸裂してヤケドしたかのような気分。風味は一切感じず、ただただ辛い、というか痛い。鼻と目から液体があふれ、5口でギブアップした。この辛さから逃れたくて、必死に歯を磨いてうがいしたものの、口の中のしびれは1時間以上経っても去らない。40余年の人生で最も辛いフードと断言できる。
ちなみに「18禁カレー 痛辛」はVillage Vanguard(ヴィレッジヴァンガード)の実店舗にて1000円(税別)で購入した。在庫そこそこあったところを見るとリピーターがいるのだろうか――。
ほめる点を一つ挙げると、他商品よりも肉の量が明らかに多く、しかも美味だった。値段相応と言えなくもないが、メーカーの心意気を感じた。
8段階評価で最高点「ボンカレー」の実力は?
最後にトライしたのは「ボンカレーゴールド 大辛」。今回試食した中で最も出回っているであろうレトルト食品だ。希望小売価格は180円(税別)。
ボンカレーといえば老若男女問わず楽しめる味付けというイメージが強い。ところがこの大辛は、ハバネロピューレとスモーキーなチポトレをブレンドしている。パッケージ表面の辛味順位を見ると、8段階評価で最高点が付いているではないか。これは楽しみ。
電子レンジで加熱した「ボンカレーゴールド 大辛」をご飯にかけた。具のジャガイモやニンジンが目立っていて、栄養面の配慮が感じられる。
いざ試食。最初は大したことないと思ったものの、3分の1くらい食べ進むと、口の中がじんわりしびれた。カレーそのものは確かにスパイシーで、口蓋(口の中の上側の部分)に舌をつけるとヒリヒリする。それでも野菜が中和しているのだろうか、鼻水が垂れるようなことはなく、食がぐいぐい進んだ。
満足度が高かったのはやっぱり○○
3商品を食べ終えて、超次元レベルに辛かったのは「18禁カレー」。激辛マニア以外、決して勧められるものではない。価格面もある種の覚悟が必要。
一方、「ビーフカレーLEE<辛さ×30倍>」は「衝撃的な辛さ」の看板に違わないスパイシーさがありながらも、味に深みがある。3商品の中では最も満足感が高かった。
最後の「ボンカレーゴールド 大辛」。8段階評価で8という自己評価はややオーバーな感が否めないが――、辛口カレーを敬遠してきた人が最初にチャレンジするにはピッタリ。これに物足りなさを感じたら、「ビーフカレーLEE<辛さ×30倍>」に進むのがいいだろう。