90%以上のお客に選ばれる安全システムとは
――軽自動車の保有台数が増加する中、車種を選ぶ際の基準に変化が起きていることについて、どのように考えていますか。
「ハイブリッド車が登場して以降、燃費のいい車が増えました。購入者の深層心理として『燃費はいいもの』という考えが前提になっていると思われます。一方で悲惨な交通事故が報道されることにより、『安全・安心に乗りたい』という気持ちがドライバーの間で強くなっているのではないでしょうか。あるテレビ番組が報じて、私も興味深く拝見したのですが、アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故は高齢者だけでなく若い人にも起こり得るそうです。少しでも安心して車を運転したいという気持ちから、安全・安心を求める傾向が世代を問わず高まっていると考えています」
――ダイハツには「スマートアシスト」という安全システムがありますね。いつ頃から搭載されるようになりましたか。
「12年12月です。ムーヴに軽自動車で初めて『スマートアシスト(以下、スマアシ)』という衝突回避支援システムを装備しました。15年4月にスマアシIIが出て、16年11月にスマアシIIIへと進化しました。16年7月末時点でスマアシ搭載車両の累計販売台数は100万台を超えています」
――最新のスマアシIIIはどのような技術的特徴があるのでしょう。
「IIは赤外線レーザーレーダーと単眼(シングル)カメラという組み合わせだったのに対し、IIIは世界最小のステレオカメラを採用し、『対歩行者衝突回避支援ブレーキ』が可能になりました。あと大きなところではハイビームとロービームを自動で切り替える『オートハイビーム』が挙げられますね。IIIは単に緊急ブレーキということではなく警報機能も付いていますし、ペダルの踏み間違えで起きる急発進を抑制する『誤発進抑制制御機能』は前方と後方の両方に付いています。車線からのはみ出しを防ぐ『車線逸脱警報機能』は、白線を越えそうになると警告音とメーター内表示でドライバーに知らせます。信号待ちでのうっかりを防止する『先行車発進お知らせ機能』は、前の車が発進したことに気づかないときにお知らせします。スマアシ付きの車両はかなり多くのお客様に選ばれています」