粒揃いの書き手によるパイプ随筆
パイプと随筆といえば、作曲家の團伊玖磨の『パイプのけむり』を思い出す。東京オリンピックの1964年から『アサヒグラフ』(朝日新聞社)に36年間連載され、いまも多くの人に愛されている。
『パイプ随筆』(編・青羽芳裕、未知谷、2592円)は、團も含め粒揃いの書き手によるパイプに関する文章を集めたアンソロジーだ。いくつかあげて見ると、半村良「気まぐれパイプ」、開高健「七日間ごとの宝物、ウイーク・パイプ」、伊丹十三「寿司屋で勘定を払う時......」、植草甚一「どうやらぼくもパイプ党になりだした」、澁澤龍彦「パイプ礼讃」、團伊玖磨「頭の散歩」と著名人の作品が並ぶ。
編者の青羽芳裕氏は、日本パイプクラブ連盟常任理事、国際パイプアカデミー会員などの肩書がある。『第三版パイプ大全』の編集主幹を務めた。