東京に初めてきた人がビックリすることの一つにハイテク自販機がある。ボタン式ではなくタッチパネル式だったり、商品をデジタルサイネージ(液晶画面)で表示したり、商品説明ムービーや音声が流れたり、購入者の年齢や性別を識別して商品を勧めたり――。なかでもJR東日本の各駅に設置されている自販機は、常に時代を先取りしている。
JR東日本ウォータービジネスは2017年3月14日、東京駅丸の内地下1階コンコースのびゅうスクエアに「イノベーション自販機」を設置した。スマホアプリを使ってクレジッドカード払いやアプリ利用者同士で差し入れができる、最先端の自販機だ。
自販機のルーツは「聖水用」。それがここまで...
そもそも自販機はいつごろ誕生したのか。その歴史は遠く古代エジプトまでさかのぼる。紀元前3世紀の科学者ヘロンが記した「気体装置」という書物によると、コインを入れるとその重みで水の出る装置がアレクサンドリアの寺院に設置されていた。ただし飲用ではなく、宗教儀式に用いられる水だったという。現在のスタイルの自販機が登場したのは19世紀のヨーロッパで、飲料、本、切手、菓子、ガムなどの自販機が次々に実用化された。
日本人による自販機が登場したのは1890年頃。俵谷高七という発明家は、たばこ、郵便切手はがき、乗車券、占い・くじなどを扱うマシンを次々と考案した。
1960年代以降、国内で飲料用が爆発的に普及した。最初に広まったのは紙コップに一定量のジュースが出てくる噴水型で、その後ビン→缶と提供スタイルは多様化する。
エポックメイキングな自販機は70年代後半に誕生した。ホットとコールドの同時販売が可能となったのだ。通年で安定した売り上げが立つようになったことから、自販機普及は加速、現在の隆盛に至る。ペットボトル容器に対応したり、アームが商品を取りに行くタイプが開発されたり、電子マネー対応のためインターネットに接続するようになったり――と、時代のニーズに応じて自販機はいまも革新を続ける。