干からびた女子力が復活
A君はそれからひんぱんに家に来るようになり、次のマンションの更新の時にシェアライフを解約してエリコさんの部屋に越してきた。
園芸ショップの社員になってもせいぜい月給18万円。だからA君は時給制のほうが稼げるとバイトのままで働いている。一方、エリコさんは年上な分、さすがに月給は高いしボーナスも出るから、食費は多めに出す。
「A君の同業の植物男子もOLの彼女との同棲で、なんとか生活してる人が多い。部屋も食生活もぐっとレベルアップする都合のいい相手だってことを、強めにアピったのがよかったのかも。それと男同士のシェアしてる人って、欲求不満がたまりがちだから狙い目ですね」
半ブラックな職場の上司のパワハラや待遇のひどさにいつもイライラしてたのに、A君と知り合ってからは「イヤならやめればいいんだ! 資格を持ってるから、同じ業界でいつでも転職できるし」とポジティブ・シンキングに切り替わった。
極めつけは「いるだけでウツになったすさまじい汚部屋が、彼のおかげで緑いっぱいのこじゃれたテラスハウスになり、ついでに私の干からびてた女子力もリカバリーできた。植物男子の光合成パワーはすごい」
ここでA君みたいな、癒しビーム全開の植物男子をゲットする裏ワザをこっそり伝授しよう。
1)バオバブやガジュマル、浮遊植物など、ひと味違うハイレベルな知識を仕入れて、にわか植物女子になれ!
2)店に通い抜いて、大きな植物を配達してもらえ! あなたが好印象なら次は「メンテナンスもしますよ!」と言ってもらえる! この時が仲よくなる最高のチャンス。
3)植物男子は貧乏フリーターが多い。シェアハウスや友人との同居で家賃を切り詰めているケースが多いので、「うちは部屋が空いてるから!」「きっと一緒に住んだら楽しいよ!」と家賃半額キャンペーンをアピしまくれ。
部屋にいるだけで癒しのマイナスイオンを出してくれる中村蒼みたいな優しいボタニカル男子にキュンキュンしまくりたい。彼らこそボロ雑巾化したアラフォーOLに花も実も咲かせる、救世主なのだ!
(ライター・豊田いつき)