モトローラ・モビリティ・ジャパンの「Moto G5 Plus」は、スマートフォンの中ではミドルクラスの位置づけながら、ハイエンド機に劣らぬ性能をもつSIMフリー端末だ。2017年3月31日の発売からまもなく1か月を迎えるところ、コストパフォーマンスの高さは多くの人が認めている。
SIMフリー端末を検討中の人でMoto G5 Plusが気になっている人は少なくないはず。そこでトレンド編集部はMoto G5 Plusの実機を入手して機能をチェックした。とくに背面(メイン)カメラについては16年7月に発売された前モデル「Moto G4 Plus」と比較を行った。
ドコモの長期契約者で通信費を抑えたい人向け
モトローラMoto G5シリーズの上位モデルであるMoto G5 Plus。前モデルのボディは背面パネルが樹脂製。傷が目立たないメリットはあった一方で「安っぽい」という声もあった。Moto G5 Plusはメタル素材を採用。カラーはルナグレー(Luna Gray)とファインゴールド(Fine Gold)の2色展開で、格段に高級感を増した。気になるのは背面カメラとフラッシュ部分の出っ張りで、定規で測ったところ直径23mmほどある。デザイン的には悪くなく耐衝撃性も確保しているのだろうが――。気になる人はいるかも。
Moto G4 Plusと同様、SIMを2枚挿して3Gと4G LTEの同時待ち受けが可能なDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応している。ところで記者Iは通話用にNTTドコモの「タイプXiにねん」を月額基本料金743円(税別)で契約している。NTTドコモの継続利用歴は15年超で、会員プログラムのステージは上から2番目の「シルバー」。ほとんど通話をしないもののキャリアの長期優遇は捨てがたい。このような人にとってデュアルSIMデュアルスタンバイは唯一の選択肢ともいうべきスマホだ。通話にキャリアのSIM、データ通信に格安SIMと割り当て可能。さらにmicroSDカードを最大128GBまで挿入できるので、内部ストレージの32GBと合わせて160GB使える。
CPU(SoC)はSnapdragon 625を採用している。ASUS(エイスース)が昨年10月に発売した人気モデル「Zenfone 3」にも搭載されており、高性能で省エネと評価が高い。またメモリは4GB積んでいる。定番ベンチーマークアプリ「Antutu benchmark」でMoto G4 PlusとMoto G5 Plusをベンチマークしたところ、前者が43002だったのに対し、後者は62733を叩き出した。ゲームプレイでも過不足ないレベルと評価できる。
4シーンで比較 やっぱりカメラ機能はすごかった!?
Instagramやツイッターの人気拡大に伴い、スマホメーカーはカメラ機能の強化に力を入れている。そのおかげもあって、「通信機能のついたカメラ」と言えるほどスマホのカメラ機能は向上した。Moto G5 Plusの背面カメラは有効画素数約1200万ながら、サムスンが16年に発売した「Galaxy S7/edge」と同じ「デュアルピクセル・オートフォーカス(AF)技術」を採用しており、瞬時にピントを合わせられるのが売り。またレンズのF値は1.7と、暗い場所に強い。
「晴れた日の花」「料理」「夜の人形」「動く乗り物」の4シーンで、Moto G4 PlusとMoto G5 Plusのカメラ機能比較を行った。いずれもオートで撮影している。
「晴れた日の花」と「料理」は、Moto G4 Plusが若干青かぶり気味なのに対し、Moto G5 Plusは色味のバランスが取れている。
「夜の人形」はライトをOFFにして撮影。暗い環境にもかかわらず、両機種ともそれなりに撮れたことに感心した。ただ、Moto G5 Plusの画像をよく見ると背景の草木がシャープに写っている。
東京・有楽町の東京交通会館3Fテラスから東京駅を出発する新幹線を撮影した「動く乗り物」は大きな差がついた。ピント合わせが早いMoto G5 Plusはスイスイ連続撮影できたのに対し、Moto G4 Plusは撮影ボタンを押してから保存するまでにもたつきがあり、シャッターチャンスを逃しやいと感じた。
ハイレゾやおサイフケータイ、電子コンパス、耐水・防水機能に非対応なのは惜しいところが、それ以外の点で不満はほとんど見当たらない。
直販ストア「moto store」の販売価格は3万8664円(税込)。さらにAmazonは数百円ほど安く売っている。17年に発売されたSIMフリー端末の中では、真っ先にチェックしておきたい1台と言えるだろう。
※製品のデータ容量記載に一部誤りがありました。現在は修正しております。読者の皆様にはご迷惑をおかけしました。ご指摘ありがとうございます。(2017.05.01/トレンド編集部)