昨年、ユーチューブで「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が爆発的な人気となったように、ここ数年、ユーチューブは巨大メディア・プラットフォームとして成長を遂げ続けています。
その証拠として、大阪府内のある小学校が「4年生男子の将来の夢」を調査した結果、憧れの職業に「ユーチューバー」が3位にランクインしており、約8年前に女子高生のなりたい職業でキャバクラ嬢が選ばれた時のように、世間を驚かせているのでないでしょうか。
また、私達が実施しているグループインタビューにおいても、ユーチューブは中高生の生活に深く溶け込んでいる実態が分かっており、「テレビよりもユーチューブ!」と視聴する回数も上回っているようです。
では、なぜここまでしてユーチューブは、中高生を魅了するメディアとして支持されているのでしょうか。今回は、そんなユーチューブの人気の理由について紐解いていきたいと思います。
いつでも・どこでも・好きな動画を
【ユーチューブが中高生を魅了する理由その1】
まず、第1に言えるのが自分の好きなチャンネルをセレクト出来ることです。主な人気のユーチューバーは、ファッション・メイク・ゲーム・おもしろ―と、得意な内容を配信しているように、興味あるジャンルのチャンネルを正確に選べることが視聴者側の「楽しさ」に直結していると言えます。気になったことは「ググる」のが基本の中高生ですから、ユーチューブでも好きなことは検索して、より興味あることを見たいと思っているのでしょう。
【ユーチューブが中高生を魅了する理由その2】
次に言えるのが、時間関係なく見れることが挙げられます。好きなタイミングで好きなこと(興味あること)をスマホで検索するのに慣れている中高生だからこそ、動画においてもいつでも好きな時間に見たいといった気持ちが強いのでしょう。また人気ユーチューバーの動画は5~10分程度ですから、スキマ時間を活用して効率的に見れることも彼女達を魅了している理由と言えそうです。
【ユーチューブが中高生を魅了する理由その3】
アカウントがなくてもユーチューブを閲覧出来ますが、中高生の約大半はこのアカウントを取得しています。それには好きなユーチューバーをチャンネル登録することで最新動画が公開されたタイミングで更新通知(設定必要)がきたり、「後で見る」に入れておけば、自分専用の再生リストを作ることも出来るからです。スマホで写真をフォルダごとに整理するようにユーチューブでも自分の好きな「動画」もリストを作っておきたいと思うのです。
規制ばかりのテレビじゃできないコト
【ユーチューブが中高生を魅了する理由その4】
最近のテレビ番組では、コンプライアンスなどの問題で規制が掛かるようになり、無茶なことをすれば、すぐ苦情がきてしまう時代になったことで「テレビでは見れない企画はユーチューブで見よう」といった考えが生まれてきていることです。また人気のユーチューバーなどは、私達の身近にある物を使って面白可笑しい実験をしたりと、予想外な展開もテレビよりもユーチューブが支持されている理由だと言えるでしょう。
【ユーチューブが中高生を魅了する理由その5】
そして最後に言えるのがテレビに出演している芸能人は「自分とは違う世界の人」といった印象を受けますが、ユーチューブでは一般人からユーチューバーになったケースが多く、彼らをより身近に感じることが出来ることです。また着飾らず生活感を出しながら動画を配信しているユーチューバーが多いことで、親近感のある等身大な姿もウケていると言えるでしょう。自分が好きなクリエイターを発掘するのも楽しみの1つとなっているようです。
以上、今回のギャルウォッチでは、中高生にユーチューブが人気の理由についてお送りしましたが、いかがでしたか。
一昔前までは、放送開始時間に合わせて自宅に帰ったりと、視聴者がテレビ番組に合わせる時代でしたが、スマホの普及で今は自分の好きなタイミングで検索したり、自分の好きな場所で動画を見るといった「セレクトする時代」に変化しているのです。
そして、ほぼ毎日「検索生活」を送る彼女達だからこそ、自身が合わせるテレビよりも、好きなチャンネルを自身でセレクト出来るユーチューブを支持していると言えるでしょう。
現在では、中高生に限らず、子供(幼児)もユーチューブを見ている時代ですから、この状況から考察すると、今後はもっと生活に密接な関わりを持ち、さらなる市民権を得ていくと思われます。
grp編集長・安部舞紗