管弦楽の達人が描いたアメリカの雄大な景色
ファーディー・グローフェの組曲「グランド・キャニオン」

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   今年は世界的に見ても冬が厳しかった場所が多いのですが、日本列島は、各地で桜の便りも聞こえ始め、ようやく春本番が実感できそうです。暖かくなってくると、旅の季節の始まり。今日は、アメリカの雄大な景色を眼前に見ることができるような、素晴らしいオーケストラ曲、ファーディー・グローフェの組曲「グランド・キャニオン」を取り上げましょう。

  • グローフェの肖像
    グローフェの肖像
  • グランドキャニオンを行くロバ
    グランドキャニオンを行くロバ
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音楽一家に生まれたマルチ演奏家

   1892年3月27日、ニューヨーク・シティのドイツ系移民の家系に生まれたグローフェは、生まれた時の名前はドイツ風にフェルディナンド・ルドルフ・フォン・グローフェといいました。彼は幼少期から音楽に興味を示すのですが、それもそのはず、彼のファミリーは、音楽一家だったのです。

   父親エミリー・フォン・グローフェはバリトン歌手、母親エルサもプロのチェリスト、その父親、つまりグローフェにとっての祖父もチェリストで、メトロポリタンオペラに勤め、母の兄弟は、ロサンゼルス交響楽団のコンサートマスター......。これだけ音楽家が多いファミリーに生まれたので、小さいころから音楽に囲まれていました。

   母親がヴァイオリンとピアノを手ほどきし、音楽の勉強をスタートしますが、彼がわずか7歳の時、父親が亡くなってしまいます。母親は、息子を遠くヨーロッパのドイツ・ライプツィヒに送り、ピアノとヴィオラと作曲を学ばせます。

   祖先の地ドイツで、グローフェはさまざまな楽器の演奏を学び、ピアノにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、音域の違う数種類のホルン、同じく金管楽器のコルネットを演奏できたといいますから、音楽一家の名に恥じないマルチ演奏家ぶりです。そして、たくさんの楽器をくわしく知っているということは、後の彼のキャリアに有利な点をもたらします。

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラ マ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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