第89回高校野球センバツ大会の7日目に行われた2試合をめぐり、ネット上では物議を醸している。
この日の第2試合、第3試合はともに延長15回を終えても決着がつかず、再試合が決まった。15回を1人で投げ抜いた「エース」を称える声が挙がる一方、「投げすぎ」を心配する声や「延長15回で再試合ルール」への批判が相次いでいる。
2試合で計345球
まずは、第2試合の福岡大大濠(福岡)と志賀学園(滋賀)の一戦。両チームは延長15回を戦い抜き、1対1と引き分け。規定により再試合となり、中1日空けた28日に再戦する。
圧巻だったのは、福岡大大濠の右腕エース・三浦銀二投手(3年)。三浦選手は1回戦も9回を完投し、149球を投じていたが、この試合も一人で投げ抜き196球の熱投をみせた。
次に行われた第3試合、健大高崎(群馬)と福井工大福井(福井)との試合も第2試合と同様に7対7で引き分けた。28日に再試合を控える。
健大高崎は、サイド右腕・伊藤敦紀投手(3年)が途中に継投をはさんだものの、ほぼフルイニング、計195球を投げ込んだ。1回戦では7回降板だったものの、110球を投げていた。
「投げすぎ‼肩イカレるよ〜‼」
こうした高校野球の「多投文化」に対し、元・巨人の桑田真澄氏は著書『スポーツの品格』(集英社)の中で、
「プロの最高レベルの選手が出場するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、ピッチャーの球数や登板間隔の制限があるわけですよ。(中略)それなのに、身体的にも精神的にも未熟な高校生のピッチャーに対しては、何もルールがない。こんなおかしな話はないでしょう」
と痛烈に批判している。
ツイッター上では、
「WBCみたいに11回以降はタイブレークにするのもありかも」
「投げすぎ‼肩イカレるよ〜‼高校野球にも投手の投球制限必要でないかな〜」
「投げすぎ云々は続投させ続けたり二番手以降の投手を育成しきれてない監督の責任だと思うんだけど」
と、現行のルールを疑問視する声や提言が相次いだ。