第89回春の選抜高校野球大会(以下、センバツ)の2日目に行われた報徳学園(兵庫)と「21世紀枠」で出場した多治見(岐阜)との一戦をめぐりネット上で物議を呼んでいる。
試合は21対0で報徳学園のワンサイドゲーム。このあまりの差にネット上では「力の差がありすぎ」「21世紀枠は廃止するべき」などといった批判が挙がっている。
21世紀枠の選考基準は?
センバツは、夏の選手権大会と違い、1都道府県1代表制ではない。北海道・関東・九州など全国10地区で開催される秋の地区大会の成績などをもとに地区ごとに出場枠を振り分け、各地区の選考委員が出場校を選抜する。
今年のセンバツは、一般選考29校と「21世紀枠」3校の計32校が出場。21世紀枠は、不来方(岩手)、多治見(岐阜)、中村(高知)の3校が選出された。
「21世紀枠」とは、2001年のセンバツから新設され、都道府県の秋季大会において一定の成績(参加校が129校以上の都道府県はベスト32以上、それ以外はベスト16以上)を残していること。さらに学業と部活動の両立、地域への貢献、部員不足などの困難の克服など、さまざまな条件を考慮して決定される。
多治見は、16年の秋季県大会で初優勝。地区大会(東海ブロック)では、初戦敗退だったものの、同大会準優勝の強豪・至学館(愛知)に1対2と惜敗した。
この好成績と、内野ほどしかないせまい共用グラウンドながらバドミントンのシャトルやテニスボールを使うなど工夫をこらした練習に取り組む姿勢や、平日週2日は7時間目まで授業を行い、2週間に1度、土曜日の午前中に補習も行うなど学業にも力を入れている点が評価された。