「本田圭佑の代わりができる選手がいるのか?という点を考慮しないといけない」。ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選に向けたサッカー日本代表メンバー25人が2017年3月16日に発表され、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、所属するACミランで出場機会を得られていないMF本田圭佑選出の理由を述べた。
ハリルホジッチ監督はたびたび「所属クラブでの継続的な出場」を代表選出の1つの基準にあげてきたため、本田選出への疑問は残る。
悪意のある状況で戦うことになる!
発表会見でハリルホジッチ監督は「本田の選出には疑問があるかもしれない」としながら、「試合に出ていなくても今の代表は本田を必要としている。我々が戦ってきた中で、常に彼の存在があった。トップスコアラーでもある」と述べた。
ハリルホジッチ体制で戦ってきた2015年3月からの全23試合で、本田があげたゴールは9点でトップだ。FW岡崎慎司は7点、MF香川真司も7点、原口元気が6点と続く。本田が現体制であげてきた実績には疑いがない。
得点力だけでなく「経験値」も評価している。ハリルホジッチ監督は「若い選手も使ってきたが、メンタル面に不安がある。相手に敬意を払い過ぎ、おそれすぎる面がある。その意味で本田のような選手は必要だ」と話した。特に、今回の最終予選で唯一の敗戦となっているUAEとのアウェー戦が17年3月23日にあり、「プレッシャーや悪意のある状況下で戦うことになるかもしれない。そこでは経験が重要になる」とした。
出場機会の少なさには「もちろんミランでより多くの試合に出てもらいたいというのが私の望みだ」と触れたが、「今のところ激しいポジション争いの中で使われていないという状況にある」と理解を示した上、「本田のミランは欧州ビッグクラブだ。そのトレーニングに参加しているだけでも他の選手と違いがある」とも話した。従来から強調していたクラブでの出場機会はあまり考慮されていない印象だ。
また一方では、岡崎、FW大迫勇也、FW久保裕也の3選手について「より多くの試合に出ている選手」との理由で選んだとしている。「久保はたくさんの試合で点を取っている。他の選手と比較しても勇気や思い切りの良さがある。岡崎は、代表と少し違った役割だが、またレギュラーとして最近試合に出ている。大迫もどんどん成長してきている選手だ」と、いま現在の好調や出場試合数の点から選出したようで、本田に対する評価軸とは異なっていた。
いずれにしろ、アウェーという想定外のことが起きるかもしれない悪環境の中での重要な一戦。どのようなシチュエーションでも展望を切り開く闘志と技が必須のゲームということで、本田に代わる選手がいないということのようだ。いまの日本の実力をハリル監督がそうみているということだ。