「返せない奨学金」が日本を滅ぼす
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「活力ある社会」をつくるには

   大学進学率が50%を超え、「誰でも大学生」となりつつある今、「大学教育に税金を投入するのはムダ」「自己責任」という声も根強い。

   著者は国立教育政策研究所の調査をもとに反論する。それによると、学部・大学院在学中の学生1人当たりの公的投資額は約253万円。これに対して、同卒業者の公財政への貢献は約608万円。公的投資の約2・4倍のリターンがある。

   たしかに、成績優秀な大学生は将来、仕事や研究で社会に貢献し、収入も高くなる確率が高い。給付型奨学金などは、いわば将来、自分が払うであろう高額の税金から、前払いで還元されたものとみなすこともできるかもしれない。

   よく指摘されるように、OECD加盟国の中で、高等教育への公財政支出の割合は、日本が最低クラス。国の「給付型」奨学金がないのも、日本ぐらいだという。このまま「高等教育の学資は私費負担」を続けるのか。そのことで「活力ある社会」は可能なのか。近年の結婚難や少子化、子育てへの影響は? 「奨学金」をフックに日本社会のあり方全体についても考えさせられる本だ。

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