「返せない奨学金」が日本を滅ぼす
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「取り立て」は厳しく

   著者は奨学金問題が深刻になった理由を、学費以外の多くのデータからも説く。

   ・親の所得が減った。民間企業労働者の平均世帯年収は1994年の664万円をピークに漸減。2014年は542万円。

   ・これに伴い、仕送り額も減った。5万円未満が、95年の7.3パーセントから2015年は24.9パーセントに急増。うち仕送りゼロは95年の2.0パーセントから2015年は9.1パーセントに増えている。

   ・高卒求人が激減した。92年は約167万人。2011年は約19万人。高卒でホワイトカラーになるのは難しくなった。保育士、看護師などの専門職も資格が高学歴化。短大・大学に進学せざるを得なくなった。

   奨学金利用者が必然的に増える一方で、育英会の組織替えなどで「取り立て」は厳しくなった。滞納3か月で金融機関のブラックリストに登録される。カード利用やローンを組むのが難しくなる。延滞金は年5パーセント。9か月目に入ると裁判所から支払督促があり、返せないと、給料差し押さえなど法的措置が取られる。せっかく大学を出たのに、社会人のスタート段階で落伍者に転落する危険が増しているのだ。

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