【スポメディア・ウォッチ】
18年の平昌五輪を見据えた前哨戦で、羽生結弦に強力なライバルが現れた。
米国のネーサン・チェンが羽生結弦(22=ANA)の追撃を振り切り、フィギュアスケートの四大陸選手権(韓国・江陵)を制した。国際スケート連盟(ISU)公認の大会で初めて、4回転ジャンプを5度成功する離れ業をやってのけた。
佐野氏「まだまだ隠された点数を持っている」
羽生は当初、フリーで4回転ジャンプを5本跳ぶ算段だった。4回転サルコーからの連続ジャンプに失敗し急きょ、演技中にプログラムを変更。4回転トーループの連続技を加えた結果、自身初の4回転ジャンプ4本となった。羽生は試合後、「トライした回数としては5本。もしかしたら(フリーで)5本の構成もできる手応えはあった」と話した。
それを上回る5本の4回転ジャンプを決めたのが、米国のチェンだ。4回転ジャンプ関係だけで計69.72、羽生の計53.16に比べると歴然とした差をつけた。しかし、全体の合計点では、307.46で羽生が持つ歴代最高330.43には、まだ手が届きそうにない。羽生が昨季出した歴代最高では4回転がフリーで3本だった。この点数の違いは演技構成点で、今回も演技構成点だけみると、羽生が94.34だったのに対し、チェンは88.86だった。
チェンの演技構成点が今後、あがるとなると、羽生も苦しくなる。この点について、評論家の佐野稔氏は2017年2月19日の日本テレビ系「Going! Sports&News」で、
「まだまだ隠された点数を持っている。非常に怖い存在であることは間違いない」
と指摘した。