のん「人は笑えることがあれば、明日が見える」 会場は拍手喝采「世界の片隅」から「隅々」へ

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世界23カ国での上映が決まっている

   司会の生島ヒロシさんは映画の背景について、片渕監督とのんさんに質問をぶつけた。片渕監督はのんさんを起用した理由を聞かれると、「のんちゃん以外、考えられない。映画作っている間から、のんちゃんの声が頭の中にあった気がする」と話した。

   のんさんが演じたのは、太平洋戦争末期の広島・呉で混乱の時代を生き抜いた主婦「すず」だ。物語の中盤、米軍の不発弾による不慮の事故で片手を失ってしまう。

   生島さんが「手を失っても一生懸命に生きる『すず』さんの姿に、我々も涙してしまった。どんなことがあっても明るく暮らせる社会っていいなあと思う」と感想を述べると、

「この作品を受けて、『人は笑えることがあれば、明日が見えるんだな』『どんなことがあっても、毎日が巡ってくる』という力強いメッセージを感じた」

とのんさん。

「普通の日常の中に、たくさん楽しいこととか笑えることが転がっているのがベースにあると思うので、そういうメッセージはどこにいる人でも、誰にでも響くものじゃないかと思う」

   映画は現在、世界23カ国で上映されることが決定済み。のんさんと片渕監督は3月、メキシコを訪問する予定だ。

   生島さんが「『この世界の片隅に』が『世界の隅々』にまで広がっていく気がするけど、どうか」と述べると、会場内は拍手喝采に包まれた。

「世界の片隅から『世界ってどんなものか』とこわごわ眺めている『すず』さんが主人公だけど、考えてみれば、世界に真ん中などなくて、小さな片隅がいっぱい集まってできているのが世界じゃないか。色んな国の方にとっても、この作品で描かれているのは切実なことだと思うし、自分のことのように感じてくれると期待している」(片渕監督)。
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