【スポメディア・ウォッチ】
平均引退年齢は25~26歳。トッププレーヤーでも30歳を過ぎると引退後を模索し始めるとされるサッカー界にあって、50歳で現役を続ける三浦知良(横浜FC)は世界的にも異例中の異例の存在だ。
そんなカズに対し、コンサドーレ札幌の稲本潤一(37)が密かな闘志を燃やしている。2017年2月12日付「web スポルティーバ」は、キャンプに臨む稲本の姿を伝えた。
右ひざ前十字靭帯断裂の重傷も「復帰に向けた最終段階」
若くして注目を集め、22歳で迎えた2002年FIFAワールドカップ(W杯)日韓大会では主力として2ゴールをあげ、日本代表初の決勝トーナメント進出に大きく貢献した稲本。イングランド・プレミアリーグやドイツ・ブンデスリーガなど欧州主要リーグを渡り歩き、30歳だった2010年に川崎フロンターレでJリーグに復帰する。
しかし、15年にJ2・コンサドーレ札幌に移籍すると、試練が襲う。16年6月の試合で右ひざ前十字靭帯断裂の重傷を負った。この時36歳の稲本、いつ引退を決断しても不思議ではなかった状況だが、8か月間の治療を経て、17年の沖縄キャンプに間に合わせた。スポルティーバによると、まだ完治はしておらず「別メニューでの調整」ながら、「復帰に向けた最終段階」に入っている。
50歳でJ2・横浜FCのフォワードとして今季に臨むカズの話を向けられた稲本は「フィジカルや技術をキープしていくのは見習うべきところ。もちろん自分もそこまでやりたいし、少なくともカズさんより先にやめたくはない。そこは間違いないです」と明言したという。
札幌は今季5年ぶりにJ1を戦う。チームメートのMF前寛之は稲本について「あまり自分から多くを語るほうではないと思うけど、プレーでチームにメリハリをつけてくれます」。「キング」の威光衰えないカズ同様、ベテランとしてチームで果たせる役割は山ほどありそうだ。