「和食」の無形文化遺産登録がミッションに追い風
「金山新吉」の取り組みを始めた2年後の13年12月に、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、以降、独自のミッションにしたがって店舗戦略を展開している同店にとっては強力な追い風になっている。というのも、登録されたのは「食」ではなく「日本人の伝統的な食文化」だから。遺産登録後の2年間で、新宿店まで4店が相次いで開店したものだ。
同店は16年12月出したリリースで「キッチン用具売り場は、効率のみが優先され、月に1、2個しか売れないものは排除され、どこも画一的で面白味のないものになってしまった。その一方、新潟の燕三条地域などにある小規模な工場で作り続けられている道具がある。これらを世の中に紹介していく場がなければ、食に関する習慣も文化も継承されなくなってしまう」と、ミッションの「続行宣言」を行っている。