女子プロレスの空前のブーム
日本の女子プロレスの始まりは戦後間もない頃、キャバレーや芝居小屋で行われた相手のガーターベルトを奪い合うショーだった。次第に試合として認められるようになり、1974年に一人のスターが現れた。ルックスに恵まれた超大型のマッハ文朱。マッハに憧れたビューティ・ペアが登場し、ビューティに憧れてクラッシュ・ギャルズが続いた。その後にブル中野――。
そして1993年4月2日、横浜アリーナで史上初のオールスター戦が行われ、北斗晶と神取忍が流血の死闘を演じた。これを境に日本の女子プロレスの時代が変わり、かつてないブームが起きる。
『1993年の女子プロレス』(著・柳澤健、双葉社、1000円)は、激動の時代を駆け抜けた女たちのインタビューだ。ブル中野、尾崎魔弓、デビル雅美、ライオネス飛鳥、長与千種ら1993年で切り取った女子プロレスの証言集である。