2月3日は節分。節分は文字通り、「季節を分ける」という意味があり、 立春、立夏、立秋、立冬の前日のことで年4回あるのだが、いまは節分といえば立春の前の日のことだ。節分には「福は内、鬼は外」と唱え、豆まきをするが、なぜ豆を使うのか。豆は五穀のひとつで「魔滅(まめ)」に通じ、無病息災を願うといわれている。今回は意外に知らない豆の種類や新しい料理法など豆にまつわる3冊を紹介したい。
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大豆、黒豆、あずき・・・10種類
豆は大切な栄養源として昔から親しまれてきた。以前は甘い煮豆が主流だったが、近年はビストロブームで、おしゃれでおいしい豆レシピが広がり、若い人にも豆好きが増えている。
『毎日おいしい豆レシピ』(著・堤人美、学研プラス、1296円)は、健康、美容、ダイエットなどに効果的なレシピを紹介している。テーマは「ごちそう煮込み」「サラダとマリネ」「ふだんのおかず」「ごはんとスープ」、それと「おやつ」で、昔ながらの味も伝えている。
使われているのは手に入りやすい大豆、黒豆、あずき、緑豆、レンズ豆、白いんげん豆、紫花豆、白花豆、金時豆、ひよこ豆の計10種類。豆の基本的なゆで方やそれぞれの特徴も説明している。
日本各地を歩いて見つけた「在来豆」
日本各地の在来の豆とは、いったいどんなものなのか。『日本の豆ハンドブック』(著・長谷川清美、文一総合出版、1512円)は、国内を歩いて見つけた「在来豆」の約200品種を収録し、それぞれの食べ方や育て方、保存法や名前の由来、さらには郷土料理についても紹介する。
著者の長谷川清美さんは北海道遠軽町の古くからの雑穀商の長女として生まれ、2001年に横浜で豆販売会社を立ち上げた。農家のお嫁さんやおばあちゃんに引き継がれてきた在来豆に関する調査や普及活動に取り組んでいる。
内容は「日本で出会った豆一覧」から「世界の食卓を支える豆料理」「豆の入手法と探し方」「よい豆の選び方」など。豆に対する愛情が伝わってくる。
先人たちの知恵に目からウロコ
「雷さまにへそを取られるぞ」と、子どもの頃よく叱られたものだ。これだけではない。日本の各地には様々な言い伝えや習俗が残っている。「節分に豆まきをする」というのも、そのひとつ。
『カミナリさまは、なぜへそをねらうのか?』(著・吉野裕子、サンマーク出版、648円)は、その理由や根拠について丁寧に解説する。カギは古代中国の「陰陽五行」の法則。先人たちの考え方や生活の知恵に目からウロコが落ちる。
うんちくの宝庫で「なぜ鬼にツノがあり、トラ皮のふんどしを締めているのか」「キュウリ巻きをカッパ巻きというのはなぜか」「浦島太郎はなぜ、玉手箱をもらったのか」「桃太郎のサル・キジ・イヌは、何を表わしているのか」など、興味深いテーマが目白押しだ。