世界で最も影響力のある100人の1人
草間さんは1929年、長野県松本市の種苗問屋の末娘として生まれた。10歳のころから水玉の作品を描き始め、52年には地元で初の個展を開くなど早熟ぶりを発揮した。57年には渡米し、60年代後半は「ハプニング」のアーティストとして知られた。一方で、若いころから幻覚など心の病に苦しんだ。
93年、ベネチア・ビエンナーレの日本代表になり、2001年、朝日賞を受賞したことで現代美術家としての評価を確実なものにした。この数年はフランスのポンピドゥ・センター、英国のテート・モダン、米国のホイットニー美術館など欧米の超有名な美術館での巡回展、さらには中南米、アジア、北欧巡回展など世界中で引っぱりだこ。16年には米国「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」に日本人でただ一人選ばれ、文化勲章も受章した。
画家としてすべての名声を手に入れたかのような草間さんだが、けっして安住していない。その証しが、80歳になるころから着手した「わが永遠の魂」シリーズといえる。
「昼も夜も芸術に明け暮れています」
「私が死んだ後も、私の創造への意欲と、芸術への希望と情熱をくんでいただければ、これ以上の喜びはありません」
今回の展覧会への思いを昨年9月、会見で涙まじりに語った。その様子をJ-CASTニュースで報じたところ、FBで4000以上のシェアが付いた。ネット世代にも熱烈に支持される草間さん。傷つきやすい無垢な魂と、「永遠の少女」のように若々しい、無限のエネルギーを体感できる展覧会となりそうだ。