前髪に右目が隠れた色白の超小顔は、人なつこさ7.5に人見知り2.5の絶妙なブレンドだ。
ちかごろドラマや映画で遭遇率の高い、塩顔系の個性派イケメン俳優、柾木玲弥。「絶対、次にくる!!」と呼び声の高い若手の最注目株だが、2017年1月15日、代官山GOBLINで行われた出演作「Girl recruits her God」の完成披露試写上映会インタビューで、彼はこんな驚くべき本音をぽろり。
「ネクストブレイクって言われるのって、悔しいんですよね。ネクストってことは、今はダメなの?みたいな」
なるほど。ぐうの音もでない。
「ポスト何とか」「ネクスト何とか」って、しょせんはポジショニングを競う言葉で、世界でたった一つの個性を認める言葉じゃないし。
にしても、21歳でするっとこういう返事が出るって、やはりタダものじゃないな、おぬし。
「あざーっす」なんて脊髄反射の答えは出ない
ジュノンスーパーボーイの審査員特別賞から役者に。ドラマや映画で幅広い役柄を確かな演技力でこなして評価も高い実力派だけに、「あざーっす」、「ガンパリマース」みたい脊髄反射の答えは出てこないのだ。
「Girl recruits her God」の映画で柾木が演じるケンジは、上級生のイジメから逃れるために足が不自由な芝居をうつ繊細で屈折した高校生。於保佐代子演じるヒロイン、ユーリとの淡い恋もつかのま、嘘がバレてさらなる修羅場へ投げ込まれるのだが・・・。ヒロインはいくつもの演技賞に輝く本格演技派、津田寛治の演じる教祖マキガミとケンジの間を揺れ動く、という設定だが、不安定でコンプレックスのある高校生の表情は抜群に胸に迫る。
こんなトリッキーな役をリアルに切なく演じ切った柾木の演技力はハンパなく、今や、ドラマ、映画の難しい役どころが次々に舞い込む。
友達ゼロ、人体臓器が透視できるエスパー(「みんな!エスパーだよ」)とか、大手企業の人事部長を土下座させる銀行頭取のワガママ御曹司(「就活家族」第1話)とか、「ラブホの上野さん」のエッチ修行に邁進する純情童貞くん・・。みんな一筋縄ではいかない難易度C級のオンパレード。そのうえ今春「君はペット」のレギュラー出演では、「主に笑い担当」という。
「個性派と言われるのはすごくうれしい。演技をしっかりやってるっていうことだから」
目指すのも阿部サダヲや古田新太らの超個性派名優だ。
キャラクターも演技力も唯一無二の個性派と言われる柾木には、「ネクストブレイク」なんて冠はもう必要ない。