ドナルド・トランプ氏が2017年1月20日に第45代米大統領に就任する。就任前に当選後初の記者会見をしたが、過激発言はこれまでと変わらず、貿易問題では日本などを名指しで非難し、気に食わないメディアとはけんか腰だ。こんな調子で、超大国の大統領として世界のリーダーの使命を果たすことができるのだろうか。今回は歴代の米大統領の足跡をたどるとともに、トランプ氏とそれを支える政治や社会の裏側を掘り下げ、今後のアメリカと世界の動きを探る。
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5か月前からトランプ勝利を予告
『トランプ大統領とアメリカの真実』(著・副島隆彦、日本文芸社、1620円)が出版されたのは米大統領選より5カ月近く前の2016年6月のことだ。知識人やジャーナリストたちの多くは、トランプ氏は当選できないと見ていた。そんな中、著者の副島隆彦氏は「次はトランプで決まり!」と自信たっぷりに明言していた。なぜ、そう思っていたのか。
その理由は、草の根の保守的な中間・下層白人たちの支配層(エスタブリッシュメント)に対する激しい怒りだったという。移民、学歴競争、妊娠中絶、イスラム国、米軍撤退問題などアメリカ国内の政治思想対立を解説し、アメリカ国民がいかにトランプ氏に懸けていたかを語る。
あとがきには「私、副島隆彦は、このトランプの生き方と人生態度と正直な言動に大賛成である。もっともっとガンガンと、世の中の真実を暴いてもらいたい」と書いている。他に『ヒラリーを逮捕、投獄せよ』(光文社)という本も出している。