新年会シーズン冬も「痛風」リスクにご用心! 「プリン体」摂り過ぎ防ぐ食生活

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プリン体に直接作用「PA-3乳酸菌」

――尿酸の排泄を助ける食材はあるのですか。

「乳製品やさくらんぼのダークチェリー、ポリフェノール、フラボノイド、ビタミンCなどです。乳製品の場合、カゼインが尿酸の排泄量を増やすことが分かっています。あと、コーヒーもそうですね。ここにデータがあります」

――コーヒーを1日6杯飲む人は、全く飲まない人と比べ、痛風のリスクが半減していますね。1日6杯の人は、なかなかいない気もしますが(笑)。

「ちなみにソフトドリンクの場合、たくさん飲む人ほど痛風のリスクは上がります。糖の中で最も甘い果糖が含まれているからですね」

――痛風予防の資料を読むと、乳製品の代表格・ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、プリン体を除去するものがあると書いてありました。これはどういうことですか。

「それはPA-3乳酸菌ですね。プリン体を取り込み、自らの栄養にすることが分かっています。周りのプリン体の分解作用もあります。プリン体の代表的な構造にプリン塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドの3つがあり、PA-3乳酸菌はヌクレオシドからプリン塩基への分解を促進します。プリン塩基の方が吸収されにくく、尿酸値を上げにくいため、PA-3乳酸菌を摂ると尿酸値が上がりにくいと考えられます」

   金子教授は、東京女子医科大学の山中寿教授による「高尿酸血症および痛風患者を対象としたPA-3乳酸菌入りヨーグルトの摂取試験」の実験データを取り出した。試験の対象者は「東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターに通院し治療を受けている患者25名」。PA-3乳酸菌入りのヨーグルトを摂取する群とそうでないヨーグルトを摂取する群に分けて8週間にわたり調査し、その前後の状態を比較している。

「PA-3乳酸菌が入っていないヨーグルトを摂った患者は、血清尿酸値が0.4(ミリグラム/デシリットル)上がりましたが、PA-3乳酸菌が入っているヨーグルトを摂った患者は少しも上がりませんでした。カゼインなどは尿酸の排泄を促して貢献しますが、PA-3乳酸菌はプリン体の吸収を抑えて尿酸値の上昇を防ぐということです」
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