なぜ日本は遺伝子組み換え作物の輸入大国なのに、栽培できないのか 石破茂や池田信夫ら、シンポジウムで議論白熱

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議題は「遺伝子組み換え技術の実用化」へ

   石破氏の講演終了後、市川氏と小野寺氏、小島氏、池田氏も加えたパネルディスカッション「成長の可能性に満ちる農業‐新技術と改革は日本再生の切り札になるか」が行われ、特に日本農業の成長可能性に関連する技術として、遺伝子組み換え作物に焦点があてられた。

   「食のコミュニケーション円卓会議」代表の市川氏は

「農業改革に必要な技術革新の1つに、遺伝子組み換えがあります」

と、石破氏の講演内容に触れた。「私は消費者の立場から、遺伝子組み換え技術を使った農作物の研究・開発や、社会での実用化に期待しています」と話した上で、

「ただ反対している人もおり、そうした人の声ばかりが政治家の耳に届いているように思います」

と疑問を呈した。石破氏は

「消費者の趣向に合い、健康に良く、遺伝子学的に影響がないことの挙証責任は政府にあります。マスコミの議論にさらされて、一般の方に『大丈夫』とご理解いただくためのシステムを作らなければいけません」

と述べていた。

   北海道北見市の農家・小野寺氏は、若者の農業従事者が減り、後継者不足に悩まされている実態を明かした上で、

「畑には草が生えます。遺伝子組み換え技術を使って、雑草を取り除く作業を合理化したいのです。先進国の日本にできないはずがありません。何百万トンの遺伝子組み換え作物が輸入されている現実を見てください。輸入している人は当然、賛成しているでしょうから。さらに(石破)先生にお願いしたいのは、遺伝子組み換え作物の栽培試験の実施です」

と話した。池田氏が「農水省は酪農に使う飼料として遺伝子組み換え作物を認可しているのに、栽培できないのはどうなのでしょうか」と掘り下げると、石破氏は

「それをやることで不利益を被る人がいるからではないでしょうか」

とした上で、「こういうのはおかしくないか、というのは議会の場で直していかなければいけない。それは主権者、有権者の権利であり、応えるのが行政の責任だと思います」と回答した。

   毎日新聞編集委員の小島氏はメディア関係者の立場で

「法的には許されていますので、栽培しようとスクラムを組めば、理解してもらえるでしょう。アカデミックな世界では、遺伝子組み換え作物のメリットが多いと分かってきているので、色んな議論をすれば1人くらい増えたっていいじゃないかとなるのではないか。あとは小野田さんがやるかどうかですが、メディアも国会議員も似ているところがあって、市民運動に弱い。そこをクリアできれば戦えると思います」

と話した。

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