コラボの決め手はコンテンツへの絶対的な信頼感
──サントリー社内で企画を通す際は苦労しましたか?
中村 前作『言の葉の庭』で製品を登場させていただいた時に、非常に魅力的に描いていただき、お客様にも好評だったこともあるため、そのお話も出しながら検討していきました。映画は素敵な作品になるだろうと思っていたものの、さすがにここまでのヒットは予想できなかったので「これまでの評価もふまえ期待して欲しい」という進め方です。もちろん、一朝一夕ではなかったですが。あとは、どういう組み方をするか。
──「組み方」?
中村 広告メニューのように決まったものがあるわけではないので、どんな形であれば作品とブランドの組み合わせが最大限魅力的になるか、を決めることですね。今回であればスペシャルCMの制作です。
──実際にGOサインが出た決め手は?
中村 それはもう"新海監督の新作とのコラボレーションによるオリジナルである"に尽きます。ファンを中心に、誰が見ても素敵なアニメーションになる、ということはずっと信じていたので。
──完成したスペシャルCMは三篇ですが、この構想はどのようにして生まれたのでしょうか。
中村 CM制作は「映画の魅力を最大限に表現しながら、ブランドを愛してもらえるような」ものにしたい、と広告代理店のクリエイターの方々とディスカッションを重ね、この形になりました。
──映像に対しては、何かオーダーはかけましたか?
中村 スペシャルサイトに検討時の絵コンテが掲載されていますが、完成映像はそこからほぼ変わっていないですね。我々も素晴らしいと思ったし、これが一番だろうと思います。
──『君の名は。』では作中にもサントリー製品が登場しますね。
中村 ストーリーラインやキャラクターの特性にも合った形で、印象的なシーンに、魅力的に登場させていただくことができ、非常に嬉しく思っています。