横浜市のパシフィコ横浜で2016年12月23~25日、全国各地の城にまつわる展示イベント「お城 EXPO 2016」が開催された。
24日、「これまでに5~600の城を訪れた」と言うほど「城好き」の落語家・春風亭昇太さんがトークショーで来訪し、記者団の取材に「一般の方に向けてこうしたEXPOが開かれるというのは、ちょっと前まであり得ないことだった」と語り、イベントの開催を喜んだ。
昇太「この5年ほどで状況が変わってきた」
「今までは『城』というと、天守閣だったが、どちらかといえば日本のスタンダードは中世の城だ。中世城郭好きだった僕は『あそこには何もないよ』と言われていたが、この5年ほどで状況が変わってきた」
昇太さんは「城」人気の高まりをそう話し、「一般の方に向けてこうしたEXPOが開かれるというのは、ちょっと前まであり得ないことだった。ようやく大手を振って『城好き』と宣言できる時代が来たのだな」と感慨深そうに語った。
昇太さんが「城」好きに目覚めたのは、中学1年のことだった。これまでに訪れた城の数は「5~600」で、日本全国の城の数は「3万とか4万とか、中には5万とか。現在も発見されている城がある」という。
そんな昇太さんの目から見て、「城」ブームの要因とは何なのか。
「中世史が研究対象となったからだと思う。歴史博物館へ行くと、展示の7~8割は古代史で、中世はちょっとで、近世へ飛んでしまう。日本人が好きな時代といえば、戦国か幕末だけど、研究はあまり進んでいなかった。それが研究対象として取り上げられるようになり、城は天守閣だけではない、と伝わったのだと思う」
お薦めの城を聞かれると、「おすすめが多すぎちゃって。どの県か」と冗談交じりに話した上で、静岡県三島市の山中城と東京都八王子市の滝山城、茨城県東茨城郡の小幡城を挙げた。