2008年のリーマンショックを機に、大手企業に就職すれば安定した人生に直結するという考え方から、自らの金銭管理を大事にするという価値観へ変遷しつつあるようだ。そんな中、総合マネースクールファイナンシャルアカデミーは、収入に対する貯蓄・投資の意識を基準に考える新たな価値観を「新額歴社会」と名づけ、日本が従来の「学歴社会」から「新額歴社会」へ移行しているのかの調査を2016年9月に実施した。
「学歴」より「新学歴」を重視する割合は?
調査は、東京都の20、30、50、60代の男女1000人を対象としたインターネット調査で「『お金の使い方や価値観』についての意識調査」と題して行われた。
「今後『新額歴』は大切になると思いますか」の質問には、「非常に大切になると思う」が41.1%、「まあ大切になると思う」が42.5%、「どちらとも言えない」が11.6%となった。「今後『学歴』より『新額歴』が必要になると思いますか」では、「『"自分の収入・支出をきちんと管理して将来に備える』方が大切になると思う」が46.3%、「どちらかといえば、『"自分の収入・支出をきちんと管理して"将来に備える』方が大切になると思う」が42.3%。合計して、88.6%が「新額歴」を重要視していると分かったのだ。
半数以上の若者がTシャツ1枚でもオークションで売却する
「新額歴社会」の若者たちは資産管理などのため、オークションサイトやフリーマーケットアプリなどを活用している。ファイナンシャルアカデミーの調査によると、「フリマアプリやオークションサイト、リサイクルショップを利用したことがありますか」の問いに「利用したことがある」と答えた割合は、全体1000人で62.3%だったが、20、30代(500人)に限ると70.6%に上った。その中でも「買い物をする際に将来的な価値を考えているか」と聞かれて(対象者353人)「考えて購入したことがある」と答えたのが、半数以上の57.5%を占めた。
さらに「あなたはいくらくらいで購入した商品(衣類)ならば、リサイクルショップやオークションに売ったり、出品できると思いますか」とたずねると、20、30代(500人)の20.8%が1000円未満、14.8%が1000~3000円、21.0%が3000~5000円だった。56.6%の若者たちが、Tシャツ1枚程度の買い物でもオークションで売ることを考えて買い物をしているようだ。
2017年は「新額歴」にも意識を向けることで更に充実した1年を過ごせるのではないか。
ファイナンシャルアカデミーは2002年の創立以来、15年間でのべ40万人の受講生を迎え入れており、東京と大阪、ニューヨークで開講している。家計管理や貯金の方法を始めとして、会計や経済の学問的視点、株式投資や不動産投資の資産運用に至るまで、金銭にまつわる教養講座が開かれている。