スマートフォンや携帯電話の普及は人々のコミュニケーションのスタイルを大きく変えた。家族や親しい人にいつでも好きな時間に連絡をとれるようになり、1対1はもちろんのこと、グループで情報を共有するのも簡単になった。SNSでフォローした人の行動や考え方は直接言葉を交わさなくても分かる。ネットで知り合った異性に惹かれた――なんてことはもはや珍しいことではない。
2016年12月13日、通信回線やスマートフォンなどの通信インフラサービスを取り扱う ALL CONNECT(オールコネクト)は「人とのつながりに関する調査」の結果を発表した。「あなたは今までにSNSがきっかけで、恋人ができたことはありますか」という問いに対し、20代男女の20.5%が「ある」と回答したことがわかった。
20代男性の18.9%「リア充をSNSで見ると孤独を感じる」
本アンケートは、16年11月28日から30日までの3日間、普段からスマホを使用している20~60代の男女600人(男性310人、女性290人)を対象にWEBアンケート方式で実施された。回答者を年代別に見ると、20代が112人、30代が120人、40代が137人、50代が126人、60代が105人となっている。
今年はスマホと携帯電話の普及率が逆転した年でもある。内閣府の調査によれば、16年3月末時点における「2人以上の世帯でのスマホ普及率」は67.4%で、スマホ以外の64.3%を上回った。
人々にとってスマホはどのように位置づけられているのか。「あなたにとって、スマートフォンは人と人をつなぐ重要なものであると思いますか」という問いに対し、全体の46.0%が「そう思う」、23.8%が「とてもそう思う」とそれぞれ回答した。2つの選択肢の合計は69.8%で、年代別に見ても65%を下回ったケースは1つもなかった。ちなみに「思う」の合計得票率が最も高かったのは20代の79.4%だった。
「あなたが孤独を感じる瞬間をお答えください」について複数回答で答えてもらったところ、全体で最も多かったのは「病気になったとき」で20.8%。2番目に多かったのが「暗い家に帰宅したとき」で14.5%、3番目が「1人で外食しているとき」で12.5%だった。
ただし年代別に見ると傾向に大きな差が見られる。20代男性の場合「SNSで夫婦・カップルの円満写真を見たとき」が18.9%でトップに躍り出る。また30代男性のトップは「暗い家に帰宅したとき」で18.6%だった。
facebookに登録していると毎日のようにタイムラインに投稿が流れる。現在の自分の境遇に不満のある人が見ると、「リア充いいな~」と思ってしまうのだろう。この結果についてオールコネクトの広報部は次のように分析している。
「Q5(『あなたが孤独を感じる瞬間をお答えください』)のようにインターネットが理由で孤独を感じる瞬間が発生しているようで、20代男性は「SNSで夫婦・カップルの円満写真を見たとき」が1位となっていることからみられるように、自分とつながっている人との比較を助長し劣等感や嫉妬や妬みが生じやすい環境が生成されているとも言えるのかもしれません」
最後の設問はズバリネット恋愛について。「あなたは今までにSNSがきっかけで、恋人ができたことはありますか」と聞いたところ、なんと全体の12.0%が「ある」と回答! 20代にいたっては20.5%と、5人に1人が「SNSによる恋人との出会い」を体験していることがわかった。他の年代を見ても、30代の16.7%、40代の13.1%、50代の6.3%、60代の2.9%が、それぞれ「ある」と答えている。