クリスマス・イブに演奏される「真夜中のミサ」と謎多きフレンチバロックの作曲家シャルパンティエ

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クリスマス・キャロルをたくさん織り込む

   パリの二つの教会の楽長を引き受けていたせいでしょうか、シャルパンティエは500以上ともいわれる、大変たくさんの宗教曲を残しました。その中でも1番有名なのが「真夜中のミサ」です。6つの曲からなるこのミサ曲は、降誕祭の前夜、つまりクリスマス・イヴの真夜中に行われるミサのための曲です。

    そして、この曲が彼の代表作、人気作となったのは理由があります。本来、厳格なミサで演奏される曲なのですが、彼は、その中に、フランス伝統の「ノエル」・・・つまり民衆の中で、歌い継がれてきた「クリスマス・キャロル」をたくさん織り込んだのです。ありがたそうだけれどもなんだかむずかしそうな宗教曲、ではなく、古くから人々が歌ってきて、その当時も人気のあったクリスマスの歌、これらを曲の中で頻繁に聴くことができる「真夜中のミサ」は、おそらく、当時の人にとっても、思わず口ずさみたくなる曲だったはずです。先週の「きよしこの夜」のように、人々に親しまれた曲は、名曲となり、後世に語り継がれる曲となったのです。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラ マ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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