2017年の3歳クラシックレースの登竜門といえるGIレース、第68回朝日杯フューチュリティステークス(阪神・芝1600メートル)に、2歳馬の精鋭18頭がそろった。注目はなんと牝馬、ミスエルテ。2戦2勝の戦績も優秀だが、なによりもその父が「怪物」フランケルであること。先週の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)でソウルスターリングが完勝したことで、ますますフランケル株は上昇している。
レッドアンシェルとダンビュライトに◎2つ
とはいえ、彼女を本命◎に推しているスポーツ紙はない。2戦2勝(新馬戦、ファンタジーステークスGIII)の戦績は評価するものの、「気性面の危うさが否定できない」(スポーツニッポン)、「そもそも2戦目(新馬戦が阪神・芝1600メートル、ファンタジーSは京都・芝1400メートル)で距離を縮めたローテーションが現状ではマイル(1600メートル)以上がベターではないことを示唆している」(日刊スポーツ)などと、△印を打ったニッカンを除く4紙が対抗○にとどめた。「怪物」の娘が、名だたる牡馬を蹴散らすシーンがあるのかどうか、半信半疑といったところか。
では、本命◎はなにか――。日刊スポーツとサンケイスポーツが推したのは、レッドアンシェル。ニッカンは「操縦性の良さと瞬時の加速力は混戦のフルゲートでは大きな武器となる」と、レースセンスの良さを買う。サンスポも、「新馬、もみじステークスを連勝したレッドアンシェルの素質を買う」という。「前走の切れ味は秀逸だった。好位、または中団から切れる脚を使えるのは強み」と、力説する。
残りの3紙も、無印にはできないようだ。
スポーツニッポンとデイリースポーツが本命◎に推すのは、「末脚確か」(デイリー)なダンビュライト。スポニチは、「前走・サウジアラビアRCで初黒星(2着)を喫したが、当時は3か月ぶりの実戦で一気の相手強化、未経験の関東輸送と初物尽くし。連対確保を評価するべきと判断した」。名手、C・ルメール騎手が騎乗するのも心強いという。デイリーは、「サウジアラビアRCは、直線で内にもたれる悪癖を見せたが、中間にチーク&ハミを変えたことで修正に成功した」と、出走態勢に抜かりはないとみた。 ニッカンが対抗○に評価。報知が単穴▲、サンスポも△を打っている。
藤沢和雄きゅう舎、2週連続なるか
スポーツ報知はサトノアレスを本命◎に推す。「昇級の前走(500万下のベゴニア賞、東京・芝1600メートル)を完勝。それも荒れたインを通り、抜け出して気を抜く若さを見せてのもの。GIのタフな勝負に対応できる能力がある」と、高く評価する。馬を管理する藤沢和雄きゅう舎は、先週のGI、阪神ジュベナイルFをソウルスターリングで制覇。その勢いもある。
サトノアレスにはニッカンが単穴▲に推すほか、全紙が印を打った。
5紙がそろって印を打っているのが、クリアザトラックとモンドキャンノの2頭。クリアは新馬戦を勝ったばかりだが、素質の高さが買われた。モンドキャンノは3戦2勝。前走の京王杯2歳ステークス(GII、東京・芝1400メートル)を勝った勢いがあるが、距離が不安視されている。
このほかに△印が回ったのは、前走の未勝利戦を勝ち上がったトリリオネア、武豊騎手の全GIレース制覇の夢がかかるタガノアシュラ、2戦2勝のアメリカズカップまで。