クリーナー「コロコロ」もNittoが生みの親
Nittoの事業は大きく3つの部門に分かれる。インダストリアルテープ事業は基盤機能材料(接合材料、保護材料)、自動車材料を製造・販売する。自動車業界サプライチェーン全体に機能部材を供給し、それらは外装や内装、バッテリー、ECU(エンジンコントロールユニット)、ナビゲーションと多岐にわたって利用される。
売り上げの7割近くを占めるオプトロニクス事業は、情報機能材料、半導体材料、プリント回路、プロセス材料を担当している。ハードディスクやスマートフォン製造に欠かせない部品を開発・供給することで、1990年代以降、同社が躍進する上で大きな原動力となった。「海外製のスマホも日本企業の部品なくしては作れない」と指摘されるが、それを地で行く企業の一つだ。売上高も従業員も約7割が海外というグローバル企業でもある。
同社が成長分野と位置付けるメディカルおよびメンブレン事業は、医療関連材料や高分子分離膜を手がけていて、「優肌パーミロールLite」もこの部門に含まれる。
100%子会社のニトムズは一般消費財も扱っている。床のホコリや髪の毛をキャッチする粘着式クリーナー「コロコロ」は、1983年に同社が開発した大ヒット商品で、日本人の常備品といっても過言ではない。そもそもNittoは電気絶縁材料の国産化を目指して生まれた会社で、ビニールテープや粘着テープはお家芸。
生活の身近なところに製品があふれていて、社会にとって縁の下の力持ち的存在――それがNittoだ。