「LDA」はどう広まったのか
インターネットがあれば、買い取り業者を介さず事故車を売却できるので、透明性の高い価格提示を担保できる。それまで1台約3万円で買い取られていた事故車が、約10万円で売れたこともあるほどだ。立ち上げ当初、大手損害保険会社に説明しに行くと、すぐに導入を決めてくれた。落札者が部品買い取りの業者に電話で説明するなど、以降は営業活動をせずとも、口伝えで拡散したという。
「当社では社内にシステムエンジニアがいるため、ユーザーのニーズによって臨機応変にサイトを作りかえることが可能ですが、他社はすべてITの知識がない自動車買取業者のため、外注するにも費用がかさんでしまいます」(プレスリリースより)
そのため競合サイトはないまま、規模拡大が進んだ。2016年8月、「LDA」はリニューアルし、スマートフォンのアプリで出品できる仕組みが整備された。
山下氏の「困っている人に還元したい」という思いは見事に実を結んだといえる。ユーザーは適正価格で取引できるようになり、中間マージンを抜くような買い取り業者もいずれいなくなり、公正な取引に近づくだろうと、山下氏は見込む。
「『知っててよかったを、世界に。』をスローガンに掲げ、当社でなければできない、知っててよかった世界をお届けするための新しいサービスの創出に尽力しております」
イードリーマーのホームページでは、社長あいさつとして、こう宣言している。