バリスタは気温、湿度も考慮する
エスプレッソメーカーで作る場合、「豆を挽く」「フィルターに詰める」「圧力をかけて抽出する」の3段階がある。味の良し悪しは、「豆の量」「挽き方」「タンピング(粉をぎゅっと押し固めて抽出すること)」の調節で決まる。豆の鮮度と気温、湿度などを考慮し、その時々の「ベストショット」を探すのがバリスタの仕事だ。豆を挽いたら、香りを逃がさないよう素早く抽出しなければならないし、一定の力でタンピングしないと、旨味にムラができて味は落ちてしまう。
だが全自動エスプレッソマシンでは、このように自らの技術と経験に頼る必要はなくなる。ボタン操作のみで、マシンはいつ何時でも香り高いコーヒーを作れるのだという。バリスタは、
「これは僕らのライバルなんですよ」
と複雑な表情で全自動エスプレッソマシンをなでていた。