朝日新聞出版は2016年11月11日、作家の高橋源一郎氏の最新刊「丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ2」(朝日新書)を刊行した。前年に刊行されて10万部を超えるベストセラーとなった「ぼくらの民主主義なんだぜ」(朝日新書)の続編で、11月22日には増刷が決まった。
3月まで月に一度、寄稿していた朝日新聞のコラム「論壇時評」を始めとした21のエッセイで構成されている。高橋氏はこの数年、沖縄やルソン島、選挙演説の場へ行き、社会や政治、その根本にある「民主主義」に思いを巡らしてきた。前作では書けなかった内容も盛り込んでおり、高橋氏は「『民主主義』をテーマにする本は、これが最後になると思う」と話す。「世の中は、何がおかしくなっているのか」。高橋氏はそう聞かれたら、「人間のろくでもなさを肯定するのが民主主義なのだ」という言葉を掛けるという。
目次は順に、「そして、わたしたちは、すべてを『外注』するようになった」「『境界』を生きる者たちから」「伯父さんはルソン島に行った」「それでも自分の足で歩く」「安倍さん(とお友だち)のことば」「オバマさんのことば」「美智子妃のことば」「死者と生きる未来」「丘の上のバカ」となっている。